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練習とレッスン

コンクールの課題曲など新しい曲に取り掛かるとき、今はyoutubeや課題曲CDなどで模範となる演奏音源を聴けますので、学習者にはありがたい環境です。ただそうした媒体は、その曲の雰囲気を知るには事足りても、楽譜にある楽典的、音楽的な内容を理解することはできませんし、自分らしい音楽として表現していくのには邪魔になってしまうこともあります。

耳のいい生徒さんだと、そうした媒体から耳でひろった演奏をそのままなんとなく弾き、結局楽譜をあまり見ておらず、音や音価、アーティキレーション等が滅茶苦茶だったり…ということもあります。完成した音楽を聴いて、同じように弾くのは、レシピを見ずに三ツ星の料理を作ることくらい難しいです。料理で譬えるならどのくらいの材料と時間と工程が必要なのか、調べ、感じ、失敗や苦労を乗り越えてこそ最高の味が作り上げられます。音楽も、自分らしいものをつくるために、その工程を自分で築いていきましょう。